ご挨拶
日頃より、土地家屋調査士業務を含め、不動産登記制度にご理解をいただき、心より感謝を申し上げます。
岡山県土地家屋調査士会は岡山県下に事務所を有する土地家屋調査士、土地家屋調査士法人により構成される組織です。
皆様の日常において土地・建物といった不動産の登記に関与することは、稀なことのように感じられることと思います。しかし、国内の土地・建物は、国有地等の公的財産を除いて、全国の管轄法務局に登記をすることにより管理され、この登記には土地・建物の所有者に申請義務が課されており、土地であれば1筆ごとに「所在・地番・地目・地積・所有者」、建物であれば建物ごとに「所在・地番・家屋番号・種類・構造・床面積・所有者」が表示に関する事項として、登記をしなければなりません。これは、不動産取引の安全と円滑化を担保することを重要な目的の一つとしており、この表示に関する登記の申請を業務として代理することが許された唯一の国家資格者が土地家屋調査士です。
近年、国土保全や国民財産の有効利用などを目的とし、不動産に関連する法改正が次々に行われています。例えば、相続登記が行われないまま放棄されたような土地に代表される所有者不明土地、空き家対策特別措置法により特定空き家に指定された建物など、これまでは不動産取引において取り扱いが避けられてきた不動産について特措法の適用により、所有権移転や建物解体を可能とするように具体的な関連法令の整備や改正が推し進められています。このような国策の動きは、少なからず国民の皆様にも影響があり、これまで取引の対象とすることが困難であった不動産も取引対象となる可能性が高まっています。
しかし、その所有不動産の相続や売買等において、その現況と登記内容が不整合である場合には円滑な取引行為が行えないといったことも懸念され、思わぬ不利益が生じることも容易に想像できるものと思います。例えば、土地の境界が現地において明確でないため、隣接地所有者と境界紛争が生じ、期間内に不動産取引に関する契約の履行ができず、損害が生じるといったことも考えられます。このような事態を未然に防ぐのは当然のことながら、ご自身の所有している不動産について少しでも疑問や不安をお持ちの方は、いつでもお近くの土地家屋調査士にご連絡をいただき、ご相談いただければ幸いです。
岡山県土地家屋調査士会
会長 眞田 太